白内障は、発症し始めのころはとくに自覚症状はありません。
しかし、症状が進行するにつれて、徐々にものが見えにくくなったり、ぼやけたり、目がかすんだりします。それ以外にも光がまぶしく感じたり、対象物が二重三重になって見えたりといったことがあります。
光を感じやすくなるため、屋外に出るとたいへんまぶしく感じたり、運転中に対向車のライトを強く感じたりすることがあります。こうなると、日常生活を送るうえで不便を感じるようになります。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
目をカメラに例えてみましょう。レンズに曇りや汚れがあると、光が正しく反射しなくなるために像が映りにくくなりますよね。われわれの目のなかにある水晶体は、ちょうどものを映し出すレンズの役割を果たしており、これが加齢のために濁ったり肥厚したりすると、そこを通じて映し出される像もまた歪みやすくなってしまうのです。
水晶体のどの部分に濁りが生じたかも重要です。濁りが中心部でなければ視力の低下はあまりないのですが、中心部まで進むと、徐々に見えにくさを感じるようになります。